こんにちは、Яeiです。
早稲田大学大学院で数学を専門的に学び、塾講師として数学を教えてきました。
今回は「定数」と「変数」について、塾講師時代に意外にも質問が多かった以下のような疑問に分かりやすく回答していきます。
・定数、変数とは何か
・定数と変数の違いは何か
・これらの概念があると何が嬉しいのか
定数や変数は気づけば学んでいるものであり、中々人に聞き辛い話でもあると思います。
でも安心してください。この記事を読めば二度と忘れないレベルで理解できると思います。
なお、プログラミングの世界でも変数と定数が出てきますが、数学と概念はほとんど同じですので是非最後まで読んでみて下さい。
目次
結論
- 定数とは、その問題を考えているときに値が変わったりしないよ!な数のこと
- 変数とは、その人が自由に値を決めれるよ!な数のこと
その問題を考える際に、
- 固定された数が定数
- 人によって変わってくる数が変数
その問題を考える際に、
- 関数化してみんなで使える
- メンテナンスしやすい
文字だけ見ても良く分からないですよね。
安心してください。順に説明していきます。
詳細説明:定数、変数とは何か
- 定数とは、その問題を考えているときに値が変わったりしないよ!な数のこと
- 変数とは、その人が自由に値を決めれるよ!な数のこと
定数とは
定数とは、その問題を考えているときに値が変わったりしないよ!な数のことを言います。
これだと分かり辛いので「消費税」を例に解説致します。
当記事を書いている2021年では、消費税率は10%となっております(話がややこしくなるので軽減税率の話は考えないこととします)。
そのため、何か商品を買おうとすると、消費税率を考慮した「商品の値段+消費税」分のお金が必要になります。
このとき「消費税率」は誰が何を買っても変わらない値(10%)になりますよね。
そのため、この例では消費税率は「定数」となります。
ここで「あれ?消費税率って以前は3%とか5%とか8%じゃなかったっけ?決まった数じゃなくない?」と疑問に思われる方もいると思います。
これはかなり鋭い疑問で、定数とは何かが分からなくなってしまう人の多くは「定数なのに変わることがあるのであれば、それって変数なのでは?」とこんがらがってしまうのです。
超重要なのでもう一度定数とは何かを記載します。
定数とは、その問題を考えているときに値が変わったりしないよ!な数のこと
お分かり頂けましたでしょうか。
先ほどの消費税の例ですと、確かに長い年月で見れば消費税率が変わることもあります。
しかし、普段買い物をするにあたって消費税率がその場でコロコロ変わることはありません。
そのため、先ほどの例では消費税率が定数となったのです。
よくある勘違いとして、定数は「決まった数で二度と変わらない数」と思っている人が多いですが、これは間違いです。
定数は「めったに変わらない決まった数」という認識が正しい認識となります。
変数とは
変数とは、その人が自由に値を決めれるよ!な数のことを言います。
例えば、こちらも先ほどの消費税率でみてみましょう。
消費税率はその時点でコロコロ値が変わるものではなかったので定数となります。
一方で、商品の値段については「人によって」「商品によって」コロコロ値段が変わってきます。
このように、値を固定できず、人によって変わってくる数のことを変数と言います。
変数のありがたみなどについては後述していきますので引き続き見ていただけると幸いです。
詳細説明:定数と変数の違いは何か
その問題を考える際に、
- 固定された数が定数
- 人によって変わってくる数が変数
さて、定数と変数の違いについては今までの話で大体理解された方も多いのではないでしょうか。
そして、ここまでの話でおのずと定数と変数の違いも見えてきたと思います。
その問題を考える際に、固定された数を定数、人によって変わってくる数が変数となります。
定数なのか変数なのか考えるにあたり、重要なポイントとしては「どのような問題を考えているか」となります。
自分が今どういった問題を考えているのかを意識して定数、変数を考えましょう。
詳細説明:これらの概念があると何が嬉しいのか
その問題を考える際に、
- 関数化してみんなで使える
- メンテナンスしやすい
関数化してみんなで使える
「そもそも関数ってなんやねん」という方もいると思いますので、ここではあまり「関数」を意識しなくて済むように解説していきます。
関数についての詳細は以下の記事を参照してください。
ここでは以下のような数学の授業でよく出てくる式で見ていきましょう。
$$y=ax(aは定数)$$
このありふれた数式ですが、実は先ほどまで例として扱ってきた「消費税率」の話と同じことを言っております。
商品を購入した際、消費税率を考慮した実際の支払い額の計算式は以下のようになります(なぜこうなるのかは今は分からなくても問題ありません。偉い先人が誰でも使えるように作ってくれたと思って頂ければ良いです)。
$y$:消費税込みの価格
$x$:消費税抜きの価格
$a$:1.1
このように、$y=ax$という式だけ提供しておいて「$a$にはこういった定数」「$x$にはこういった変数」を入れて下さいと提供しておけばあとは使う人が自分にあった値を入れるだけで済みます。
つまり、みんなで使えるスーパーツールが出来上がったわけです(これを関数なんて呼んだりします)。
そして、今のご時世パソコンの性能もかなり上がりました。こうした数式があればパソコンで解析もできますし、グラフ化することもできます。
将来、数理モデルと作りたい方はもちろん、プログラミングを学びたい方も必須知識となります。
つまり、定数、変数の概念を導入することでこのような「関数」が作ることができ、多くの人が共有できるのです。
メンテナンスしやすい
これは特にプログラミングの世界でメリットとなりやすいのですが、
先ほどの$y=ax$の例だと$a$という定数値をどこか一か所で管理して$y=ax$を使う人はみんなここのaを使うようにしておきます。
すると、例えば$10$年後に$a$の値が変わった際に、大本のaの設定値を修正しておけばみんなは自身の数式を変更する必要がありません。
この数式を使う人が多ければ多いほどメリットが大きくなるのです。
この話はプログラミングをやったことがない人にとっては少し難しい話になりますので、今は分からなくても問題ありません。
こういったメリットもあるんだな程度に覚えておいてください。
当記事は以上となります。
定数と変数、難しい概念ではなかったのではないでしょうか。ここで説明したイメージさえあればあとは漢字の意味からも二度と忘れない概念になるのではないでしょうか。
長々とお疲れさまでした!