こんにちは、Яeiです。
今回は数学科を卒業した私が数学の証明問題について、解説致します。
当記事では細かい証明手法などを紹介するわけではなく、証明問題について最初に触れる人目線で記事を書いております。
そのため、今すぐにでも解法を求めている方の参考にはなりませんが、
証明問題に臨むにあたっての心構えやポイントを抑えることができます。
復習の意味も込めてみて頂ければ今までよりも一歩、証明問題と仲良くなれると思います。
目次
証明問題とは何か
「証明」という言葉はやや難しく感じるかもしれませんが、ざっくり言うと
抜け目ないように説明する
ことを言います。
某推理アニメのように、証拠の数々から〇〇さんが犯人であることを証明するように、
数学でもすでに分かっていることを元に「問題」を証明致します。
実はこの「証明」という分野は将来数学を使わない人にとっても超重要な分野になります。
なぜならば、証明こそ論理的思考力を培う分野でもあり、論理的思考力が上がれば説得力があがります。
また、誰かに騙されにくくなることでしょう。
そのため、数学が嫌いな人であっても「証明」の分野だけはマスターしておいて損はありません。
難しい話はしませんので、是非最後まで見て行って下さい。
君も名探偵になろう!
探偵もののアニメを一度でも見たことがある人はイメージがつきやすいかもしれません。
数学の「証明」の分野ではあなたが名探偵になって、数学の証明をしていくのです。
証明問題ではたいてい、
~であることを示せ
とか
~であることを証明せよ
といったミッションが与えられます。
我々は証明するにあたって必要な情報をかき集め、ときには自分で導きだして証明するのです。
なんだかわくわくしてきませんか?
数学の証明のイメージは以上になります。とてもシンプルだったと思います。
話の展開
証明に慣れていない人にとっては話の持っていき方は非常に難しいかもしれません。
そこで、証明の展開をすこし見ていきたいと思います。
まず、多くの問題は以下のような形式になっております。
〇〇と△△が××であることを示せ(証明せよ)
証明問題を考える際は、小学生の弟/妹に教えるような気持ちで回答を書いていきます。
彼・彼女らは少しでも分からない部分は容赦なく「なんで?」って聞き返してくることでしょう。
そのため、常に「なんで?」に対して答えられるようにしておく必要があります。
話の展開はいたってシンプルです。
①〇〇はこうである。
②△△はこうである。
③よって、〇〇と△△は××である
これだけです。多くの場合、この話の展開で証明が完了します。
ポイントは①と②の証拠集めになります。
証拠さえ集まってしまえば、あとは③が成り立ちますよね!と言うことができます。
逆に、①②の証拠が不十分であれば「え?それだけだと③は言えなくない?」となって「出直してまいれ!」となります。
某探偵ものシリーズでも良くありますよね。
何はともあれ、この証明の展開は必ずおさえておいてください!
実際の問題に挑戦
ここで扱う例題は証明の雰囲気だけ分かってもらえればよいので、理解できなくても問題ありません。
問題
$x>y, x>z$のとき、不等式$x^2+yz > x(y+z)$が成り立つことを証明せよ。
証明
左辺:$x^2+yz$、右辺:$x(y+z)$とおき、(左辺) - (右辺) > 0を証明していく。
(左辺) - (右辺)
= $x^2+yz – x(y+z)$
= $x^2 +yz -xy -xz$
= $x(x-z) – y(x-z)$
= $(x-y)(x-z)$
ここで、$x>y, x>z$が成り立つため$(x-y)>0, (x-z) > 0$が成り立つ。
よって、
$(x-y)(x-z) > 0$より、$x^2+yz > x(y+z)$となる。
証明おしまい。
こんな感じで、与えられた条件(今回は$x>y, x>z$)を利用して証明していきます。
先ほどの流れに沿って見てみると以下のようになります。
①$x>y, x>z$である
②(左辺)ー(右辺) = $(x-y)(x-z)$である
③よって、左辺ー右辺 > 0である(つまり、$x^2+yz > x(y+z)$)
①については問題文の中で仮定されてますので疑ってはいけません。
(前提条件、ルールといったところでしょうか)
②は因数分解しているだけなので疑いの余地がありません(嘘だと思ったら展開してもらいましょう)。
つまり、疑いの余地がない①と②より③が導き出せるのです。
真実はいつも一つ!!!
当記事は以上となります。
今回は証明問題の雰囲気について解説致しました。
最後に掲載した実例では、あらかじめ$x>y, x>z$と条件が与えられておりました。
しかし、大学数学や研究に際してはこうした条件は自分で敷いていきます。
まずは、条件をつけて「こういう場合に、こういう法則が成り立ちますよ」と証明するのです。
実は証明問題は社会人にとってのみならず、今後数学の道を進む人にとっても重要な分野なのです。
長々とお疲れさまでした。