こんにちは、Яeiです。
今回は早稲田大学大学院の数学課程を修了した私が数学科って実際どうなの?という秘密のベールに包まれた疑問にお答え致します。
自分の子が将来「ぼく数学科を目指したい!」となった際にそれとなく数学科の現実をアドバイスできればと思います。
あくまでも私の代の話となりますので、大学や世代によっても異なる話になりますので参考程度に楽しんでもらえたらと思います。
目次
数学科の人間は宇宙人説
数学科にいる人は宇宙人が多いです。
確かに、彼らがUFOに乗って地球に上陸した証拠はないのですが、恐らく間違いありません。
数学科の人間の半数以上は恐らく宇宙人に侵略されているのではないでしょうか。
日常会話が数学
私には信じられませんでした。
日常会話が数学の話なのです。
そもそも、勉強がしたくて大学に入り、さらなる高みを目指して大学院に進学するわけです。
当然、数学が大好きな人であふれるわけで話の8割くらいが数学なのは当然といえるかもしれません。
「8割?」
誰が言いました?
彼らは10割に近いです。もはやニアリーイコールです(おっと、うっかり数学の話を)。
お昼ご飯を食べていて数学の話が出てくるとは誰が予想できるでしょうか。
例えばですけれども、パスタを食べていたらパスタの話をしましょうよ。
パスタを食べるときのパスタのしなり具合の数式とかええねん!
とか、恋バナしてたら恋について語らおうよ。
恋の方程式とかええねん!バッカス先生とか誰やねん!
そう、彼らの知識量をすれば、日常生活のあらゆることが数式に見えてしまうのです。
私は努力しました。何とか「普通」の会話に起動修正しようと。
しかし、そんな努力はむなしく。必ず数学の話にシフトしてしまうのでした。
どうやら数学科においては私の方こそが「普通」ではなく「特異点」だったのです(おや?)
死ぬほどポジティブ
彼らは実験大好きです。
偉い人は「吾輩の辞書に、不可能の文字はない」と言ったとか言わないとか。
同じように、彼らには「吾輩の辞書に失敗という文字はない」のです。
彼らは死ぬほどポジティブです。
宝くじで外れたら「僕が外れた分、君が当たる確率をあげておいた。よし、ご飯を奢ってくれ☆」とかしれっとたかりに来ます。
彼らは失敗しても必ず何かを得ようとします。
転んでもただは起きぬ精神満載なのです。
是非とも彼らに悩み相談をしてみて下さい。
マイナスにマイナスを掛け合わせて、必ずやプラスに導いてくれることでしょう。
(私の分析では、彼らは人のネガティブ感情にはあまり興味なく、結局は数学の話にシフトします。
そして悩み事はさらに大きい数学の悩み事にかき消されてポジティブになるという仕組みのようです)
しかし、そんな彼らがポジティブになれない数少ない瞬間があるのを私は知っています。
唯一、教授の前でだけは彼らは子猫のようにおとなしくなるのです。
数学界の絶対的ヒエラルキーを垣間見た気がしました。
多角的問題解決能力
問題をひとつ提示すると彼らは多角的に解決策を見つけようとします。
例え解法を一つ見つけたとしても満足せず、他の方法でも解が求められないか模索します。
「もっと美しく、洗練された答えがないか!」
たった一つの問題が丸裸に解体されていくのです。
そのため「これやっておいて」と頼めば100倍くらいになって返ってくることもあります。
ただし、悲しきかな。
その人にしか理解できないレベルになっているので99%くらいはお蔵入りになったりします。
(あれ、結局仕事増えたりしてない?)
数学科で挫折する人・しない人
数学科に向いている人の特徴は超シンプル☆
数学大好き!
これだけです。たったこれだけで数学科に入る素質があります。
一方で以下のような人は少し考えなおすのも良いかもしれません。
・数学が苦手/嫌い
・大学で遊びたい
・日常会話は「普通」の会話をしたい
・彼女を作りたい
つまり、常に勉強をする熱意のある人でないと数学科は結構厳しいかもしれません。
数学科の男女比は9:1あるいは10:0くらいです。
青春など楽しんでいる暇があったら数学しましょう!
ね、ハードでしょう。
大学生になったら恋人を作ってパラダイス☆なんて考えは数学科の前では捨て去りましょう。
逆に数学科を目指す女性の方は、まわりは男性だらけで選びたい放題!
と思いきや、彼らは数学にしか興味がないのでそういうわけでもありません。
絶対恋愛したい!という人は、学科での恋愛は諦めましょう!
結局子供に勧めたいか
子どもが「数学科を目指したい」と言ってきた場合、私は「頑張れ!」とオススメすると思います。
ただし、高校数学と大学数学の違いについては触れておきたいポイントとなります。
高校数学では「答えを求める」のがほとんどで、クイズのように楽しむ人も多かったと思います。
しかし、大学数学では答えを求める問題というよりは概念を学ぶ機会が多くなります。
「1、2、3」みたいな数字はそもそも何か。
大学数学で鬼門となる「近さ」を定義したり、次元を定義したり。
こうした考える土台/前提を意識した上で、数式を考えていくのが大学数学になります。
そのため、大学1年生では特に土台部分の(恐らく多くの人にとって)面白くない話が多くなります。
こうした違いについてはちゃんと説明する必要があることでしょう。
私自身、高校数学のようなピタッと解が求まる数学が好きだったので大学1年生時は大学が嫌になりました。
子どもが同じ道を歩まないようにこいった話はちゃんとする必要があると思っております。
ちなみにですが、就活事情については、あくまでも私の時代においては理系方面であればある程度選び放題といった感じでした。
(逆に食品系は見事に全部落ちました)
先に見てきたように、数学科の人は独学も得意ですし飽くなき学習欲も強いのできっと社会に出ても成長を続けることができることでしょう。
知的欲求の強い人にとってはパラダイスなのが数学科となります。
当記事は以上となります。
正直我が子には数学科に進学してほしくはない(青春を謳歌してほしい気持ちもある)と思いつつ、学習環境という面では最高の環境なのが数学科だと思います。
数学が好きな人にとっては最高の4~6年間を送ることが出来ると思いますので子の性格に応じて判断しましょう。
間違っても数学があまり好きではないレベルで数学科を目指すことはないように気を付けましょう。
長々とお疲れさまでした。