こんにちは、Яeiです。
今回は児童書『はしれ! きかんしゃまめでん』をレビューしていきたいと思います。
『はしれ! きかんしゃまめでん』は、乗り物好きのお子さんにぴったりの一冊ですが、ただの乗り物絵本ではありません。小さな電気機関車「まめでん」が時代の流れに翻弄されながらも、最後には感動的な再生を遂げる姿に、大人も心を打たれます。
今回は、この絵本がどんな魅力を持っているのか、私が感じたことをレビューとしてお届けします。
目次
基本情報
タイトル
はしれ! きかんしゃまめでん
作者
間瀬 なおかた
出版社
金の星社
発売日
2015/7/10
値段
1,200円
ページ数
32
多いページの文字数
130文字程度
読み始めた年齢
4歳
あらすじ
小さな電気機関車「まめでん」は、山奥の小さな駅で材木や炭を積み込み、ふもとの町へと運ぶのが仕事。毎日、一生懸命走り続けていました。
しかし、時代が変わり、町の人々はもう炭や木を買わなくなってしまいます。役目を失いかけた「まめでん」でしたが、今度は町へ働きに行く人々を乗せて走ることに。新しい仕事を得て、再び頑張る「まめでん」。
けれど、さらに時代が進み、人々は別の移動手段を使うようになり、「まめでん」はついに車両基地の片隅に置かれてしまいます。動くこともできず、ただ窓から変わりゆく世界を見守る日々。
もう自分の役目は終わってしまったのか――。
しかし、物語の終盤、「まめでん」に思いがけない出来事が待っていました。時代が変わっても、誰かの心に刻まれるものがある。そんな感動のラストが、静かに胸を打つ一冊です。
感想(切なくも感動のストーリー)
図書館で表紙を見つけたとき、乗り物好きの我が子が気に入るかもしれないと思い手に取った一冊。しかし、読み進めるうちに、この物語が単なる「乗り物絵本」ではないことに気づきました。
小さな電気機関車「まめでん」は、一生懸命に走り続けてきました。しかし、時代の流れとともに役目を失い、最後には静かに隅へと追いやられてしまいます。その姿に、ただの機関車ではなく、誰しもがいつか直面する「変化」や「時の流れ」が重なり、大人の私でさえ胸が締めつけられるような思いになりました。
けれど、この物語の素晴らしいところは、そこで終わらないこと。まめでんは再び光を浴び、新たな舞台へと導かれます。かつての輝きを知るからこそ、最後の展開には心が震え、涙がこぼれました。
我が子にとって、この物語のすべてを理解するのはまだ少し難しいかもしれません。それでも、他の乗り物絵本と比べてリピート率が低いのは、言葉にできない「切なさ」を感じ取っているからなのかもしれません。4歳のときに読んだこの本を、もう少し大きくなってから再び手に取ると、また違った視点で心に響くのではないかと思います。
時代の流れとともに移り変わるもの、そして変わってもなお輝きを失わないもの。この絵本は、そんな大切なことを静かに教えてくれる、感動の一冊です。